うわっ…会社の考え、古すぎ…!
昨日の晩御飯中ある会社のテレビCMが流れたんですけど、いやー凄かったですよ。
CMのタイトルは「新人の心得編」らしいですが、「え、このCM作った関係者は全員チョコでも食ってるの!?」とか本気で思いましたね。
女優の早川あかりさん演じる新入社員が、「誰よりも努力する」なんてマジトーンで語りながら、誰もいないオフィスで仕事してる風情なんですよ。
ちょっと考えれば分かることのはずなんですが、どんな学生時代を送ろうが、同じ業界からの転職者だろうが、会社という組織に新しく入り込んだ人は「その組織にとって効率のいいやり方」をすぐには判断できないわけですよ。
仮に同じ仕事をやるなら新人が1時間残業するより、業務に慣れた先輩社員が1時間残業したほうがどう考えたって効率的に進むでしょ?
だから慣れない新人が残って、四苦八苦しながら仕事に取り組むというのは時間の無駄でしかない。新人は給料が安いから人件費はかからない、とお考えの上司様がいたらそれこそその人に自主退職してもらった方がいいんじゃないかと。
新人には新人にとって、ベテランにはベテランにとって「最も効率の高まる業務」を割り当てるのは会社として当然の義務であり、管理職にはそういうことができる人間が就くべきです。
そんな無駄をよしとしている人材を管理職に据えている時点でダウトです。ドボン!
後、CMではオフィスの照明こそ落としていましたが、誰か残れば何かしらの電気設備は稼動しなければならないはず。ましてや保安面も考えれば、新人一人残して他はみんな帰るなんて状況は電気の無駄遣いとセキュリティの不備でしかないでしょ。
その新人が仕事のストレスから会社設備を破壊して回らないとも限らないわけですし。リスクヘッジって言葉知ってるんでしょうか。
呆れを通り越して、ちょっと東京建物さんの行く末が心配になってきますね。
会社のCMを流すなら新人に見せた方がいい
CMというのは、CM制作会社が依頼人からどんなCMにするか、まあそれなりにヒアリングしてから作るものだと僕は考えています。
んで、当然出来上がったCMは依頼主に見せるはずですよね? これでいいですかって。
ということは、東京建物さんのお偉いさんはこれを一回見てることになり、あまつさえGOサインを出しちゃったわけですが、これで企業のイメージアップを図ったつもりなのであれば、この会社の未来はかなり暗いものだと言えるでしょう。
それともそういう事態が予測できてしまったから、起死回生を狙ってこんなCMにしたんでしょうか。だとしたらなかなかお目にかかれない自虐CMですね! ぼくは敬意を表するッ!
そもそもなんでこんなCMが出来ちゃったかといえば、「上司、あるいは会社そのものが足を引っ張る新入社員を支えている」という構図を作り出すことで、顧客になってくれる上の世代の優越感を刺激しようとしているからでしょう。
単に「若者のあるべき理想の姿」を周囲に押し付けようとするおっさんが幹部にいるだけかもしれませんがね。
ほんとに有望な若者に来て欲しいのであれば、自社のCMを流す前に新入社員とかに意見を聞いてフィードバックでもした方がよっぽどためになりますよ。
こんなCMを過去に流していたなんてことが将来に渡って知られれば、自社の信用に傷を付けるだけだと思うんですが。
何にせよ、このCMにいい印象を持ってくれる視聴者がいたとしたら、僕はちょっとお近づきにはなりたくないです。
一度「ダサい」と思われたらそれを覆すのは簡単じゃない
なんか10年くらい前にも似たようなCMがあった気がするんですよね。夜のオフィスに一人きりみたいな。印刷機に関するやつだったかな。
ともかく、こういう「遅くまで一人で頑張る」「睡眠時間を削って何とか事態を収める」みたいな描写は現実は勿論、フィクションでもよくあります。
本来これは不健全な状況だって思うべきなんですが、そう思う人が少なすぎるように僕なんかは感じちゃいますね。
快食快便快眠が出来ていない時点でその人の生活に問題があるのは確実です。
それを気合だの根性だのでカバーさせようとするのはほんと何とかしなきゃマズイです。
もう根性論が通じる時代じゃないし、根性論を掲げてるような会社はすぐインターネットに情報が流れます。「あ、ここマズイかもなー」って印象を持たれたらその時点でアウトです。
短所を上回る長所もたくさんある会社や、社会的な意義が大きい組織だってあるはずなのに、アピール方法が悪いせいで、しっくりくる人に来てもらえなかったりしたら勿体無いでしょ。
もっと訴求力の高いCMがたくさん出てくれば、テレビもまだまだスマホに負けないデバイスになれると思うんですがねぇ。
とりあえず、東京建物さんのCMが「残業禁止編」に早く差し替わりますように祈ります。