接客業に関わる人間は滅亡する!
僕は接客に関わる仕事を何年かやりましたが、
「お客さんは店員を人間だと考えていないな」と当時から感じていました。
お店を支える機構の一部であり、複雑な要求に応える存在。
平たく言えば「柔軟な機械」として見られていたんでしょう。
そしてその考えは年を経るごとに確信に変わっています。
実際にはどんな立場を与えられようが、人間が機械になれるわけがありません。
いつかどこかで必ず歪みが現れます。
世間を騒がせているコンビニ社員やアルバイトの不祥事なんかは、
元を辿れば「自分が人間であること」を知らしめようと躍起になった結果であり、
その原因は「相手が人間であること」を忘れて他人に接する人達が多すぎることなんですよ。
このままクレーマーやモンスターカスタマーを放置していれば、
遠からず接客をウリにしている店舗は次々と消えていくでしょう。
経営者達はとんでもない考え違いをしていたんだ
そもそも商売に関わる人間に対してむやみやたらに噛み付く厄介者は、
「気に入らない店員に食って掛かっている」わけではなく、
「食って掛かりたいから気に入らない部分を探している」だけなんですよ。
「お客様のために便利で質の高いお店作りに努める」なんて模範的な態度を、
どれだけ真摯に貫いても問題が解決するわけありません。
彼らは快適に買い物をすることなんて望んでいないんですから。
「より良いお店作り」という共通見解があるなら、お店とWin-Winの関係を築けますが、
目的が違うのであればシャットアウトするしかないのですよ。
効率化が必要なのは消費者の意識だったんだよ!
大抵の経営層は従業員も店の一部だとは捉えていません。
性質の悪い客の相手をするという「人の消耗」を排除すべきコストと認識していないのです。
それは接客を主とする業界の悪しき風習とも言えるでしょう。それが原因で人手不足になっていることに気付こうとせず、手の打ちようがない状態にまで放置してしまったんですからね。
将来自分の店を持つという意識がないなら、接客業をナリワイにするのはお勧めできません。
今の習慣を抱えたまま行けば、やがて業務のほとんどが機械に取って代わられてしまうのは明らかですから、無理に経験を積んでも単なるお荷物になる可能性が高いでしょう。
もう人を犠牲にして無理やり需要を作り出す時代は終わりました。
これからは人と店のマッチングやフィルタリングを徹底しないと、無意味に人材が使い潰されてしまいます。客がお店を選ぶように、お店は客を選び、その枠をきっちりかっちり規定して、余計なコストは省かなければなりません。
新しい時代に生きる僕らは消費者であると同時に、限りある人的資源を活かす「商売人」であることが求められているのです。