この記事で言いたいこと
1.残業が終わっても仕事は終わらない。残業が終わらなくても人生は終わらない。
2.残業が許されるのは残業で生み出される利益が残業にかかる費用を上回る時だけ。
3.残業代を支払わない企業ですか? ゴミはゴミ箱へ!
あり得ん
僕はその時々で大手の求職サイトを覗く機会があるんですが、募集を見てるとものすごい違和感のある文章や単語がちらほらあります。
その最たるものの一つが、「月平均残業時間」です。
いや残業はないのが当たり前だから!
平均を計るようなもんじゃねーから!
「繁忙期は残業が月20時間程度あります」ぐらいならいいです。業界によってお客さんが集中する時期ってのはありますし、期末・年度末は何かと忙しいのもわかります。
でも「月平均残業時間10~20時間で少なめです!」はあり得ないでしょう。それほぼ毎日30分~1時間残業があるって自白しちゃってるじゃないですか。新人が入る時点で残業が必要なら新人の教育はどの時間でやればいいんですかねぇ・・・。
仕事と好きをごっちゃにするな
別に社長や取締役みたいな雇用側の立場にいる人が自発的に職場に残って業務の続きをやるのはいいんですよ。彼らは自分達の会社を立ち上げて、あわよくばそれを拡大させたくてやっているわけですから、そういう人達にとって「仕事」というのは「趣味」や「生きがい」と同じなんです。
でも平社員や派遣社員、アルバイトやパートとして雇用されている立場にいる人からすれば、「仕事」を「趣味」や「生きがい」と同列に扱うなんて事はまずありません。
だって、好きで仕事してるんじゃないから。「好き」なら無条件で動けるけど、「好きじゃない」なら他の理由が必要になります。残業代というのはその理由として機能しているだけであって、本来生じない方がいいコストなんですよね。
中には会社の理念や意義に共感して、その会社でキャリアを築くために好き好んで残業を引き受ける人もいるかもしれませんが、そうでない人にしてみれば仕事なんて少ないに越したことはないはずです。
それでもなお熱心に仕事するとすればインセンティブ(お金に限らず、ノウハウを得られるとか、人脈が築けるとか)がある時だけでしょう。もっともインセンティブというのは「予想を上回って得られた利益の還元」であって、「人を動かすためのコストであってはならない」と個人的には思っていますが。
仕事を人生の一部にしない
「残業が少ない」なんて文が求職サイトに堂々と記載されてしまう・・・改めて考えてみると本当に虚しいことですよ、これ。
僕は常々思っているのですが、日本の企業は「全社一丸」とか「従業員一同」とか、とにかく一体感を重視しすぎなんですよね。掲げる理想はどうであれ、実際には企業に所属する人間が増えれば増えるほど立場の違いは如実に現れちゃうのに。
部長と課長の給料明細書の額は違うし、社長と社員じゃ肉体にかかる負担も精神にかかる負担も同じじゃないでしょ?(どっちが上とかじゃなく、同じ天秤では計れないって意味です)
そういうズレがあることを前提にしないから、残業したくもない人に残業させたり、残業するべき人がさっさと帰ったり、みたいな働く上でのミスマッチが起きてしまう。
残業が少ないことをウリに出来るとすれば管理職以上のポストの募集だけです。
求職サイトを利用する人は是非↓の言葉を覚えてから帰って頂きたいです。
「残業があっていいのは社員がいない会社だけである」