分かっちゃいるけど止められないなら、覚悟を決めろ
僕の父親はギャンブル依存症なんですが、老境に入ってもギャンブルを止めていないんですね。何故止められないか聞いた所、「病気だから仕方ない」とか真顔で言うんですよ。
病気なら病院、ないしその役目を担う互助組織みたいなものに加わるべきだと思うんですけど、そういう気配もなく、そろそろ古希を迎えてしまいそうなんです。
んで、それでも僕の生活に何の悪影響もないうちはいいんですけど、2~3年前のある日、「お金を貸して欲しい」って頼まれました。特に出費が激しい時期でもなかったのに。
当然借金を重ねたせいで、退職金がすっからかんになった父親に何も聞かずに貸すわけにはいきませんから、理由を尋ねたら「地震保険の払い込みがあるのを忘れてた」って言うんですよ。
結論から言えば利子付きで無事返済してもらったんですけど、この時点で僕の父親に対する信用はほぼゼロになりました。僕の感覚では「子供に金を借りる親」というのは「そもそも子供を作るべきではなかった人」なんです。
だって子供って金かかるわけで、親になる人間はそんなの承知で子供作るわけじゃないですか。お金が足りない、あるいはお金をほかの事に使いたいって状況が生じる可能性が高いなら、金食い虫を誕生させるなんて悪手もいいとこでしょ。
ましてや若い頃からギャンブルにハマッている我が父親様はどー考えても子供なんざ作らず、風来坊よろしく最終的にどっかで野垂れ死にした方がお似合いですし、本人的にもしっくりくる生き方だと思うんですよね。
ま、作ってしまったものは仕方がありません。僕が生まれてなかったらこの記事だって書けなかったわけですから文句を言ってもあまり意味はありません。しかし最近になって、さすがに洒落では済まない出来事が起きたんですよ。
きさまは長く生きすぎた!
ある日、父の通帳を管理(と言ってもやるのは記帳と軽いチェックぐらいでカードは本人が持っているのですが)している長男が、父の口座から普段の1.5倍くらい多くお金が引き出されていることに気付いたんですね。ギャンブルに使い込んだのでは、と考えた長男は父に問い詰めます。そしてその時、驚きの一言が!
父「和彦に包んで渡した」
ぼく「(゜Д゜)ハァ?」
いやほんと青天の霹靂でした。もうあわてて部屋を引っくり返して、僕が受け取ったらしい山吹色のお菓子を探しましたよ。まあそんなもん存在するはずなかったんです。だって貰ってないからね!
結局お金は父の勘違い、アンド普段はやらない内臓検査を含む医療費に消えたということで話は落ち着きましたが、僕はもう穏やかな心を持たずに激しい怒りに目覚めそうでした。
父は、「いい加減なことを言って悪いと思っている」と言葉にしただけで、頭も下げることもなく、関係者一同に僕の身の潔白を改めて強調することもなく、のうのうと普段の生活に戻りましたからね。生きてて恥ずかしくないんでしょうか。恥ずかしくないんでしょうね。
いい加減ってレベルじゃねーでしょう。僕は一時兄弟から質問攻め、それも父親の金をくすねた悪童扱いされたんですよ? しかも父もいい年齢で、ボケが始まってもおかしくない。そんな状況で↑みたいな台詞を言われたら、僕が実際にお金を得ている可能性を排除できないじゃないですか! 例えお金が手元になくとも、友人に預けたり、桜の木の下に埋めるとかやりようはいくらでもあるんですから。
結局父は家庭内・親族内における僕の信用を傷つけたという結果を認識していないばかりか、そのフォローのための行動もしなかったわけで、さすがにこれは記事にせねば僕の気が収まりません。
家族である前に、個人である
これは僕の価値観、それも内部にがっちり食い込んでいる僕なりの真理なのですが、
「血の繋がった実の両親・兄弟であっても、自分が信用できない相手は家族なんかじゃない」
んですよ。
自分と相手の関係を定義づける上で、最良の判断基準は「血縁」ではなく「相手の行動」と「自分の行動」です。
相手が自分にしたこと、自分が相手にしたこと、そしてこの二つがお互いを磨耗させることなく、噛み合うことで初めてお互いを支え合える良い関係が築けるんです。
その良い関係に血の繋がりがあったら「家族」と呼べばいいし、血の繋がりがないなら「親友」や「パートナー」と呼べばいい。極端な話、血が繋がってなくても「家族」でもいいと思います。自分と誰かの関係を表現するのに適した呼び方、というのは人によって様々ですから。
その意味で言えば、僕と父の関係は到底家族とは呼べません、ていうか呼びたくありません。父は言葉を重ねるばかりで、行動を全くしていませんから。いまだに競馬情報が掲載されてるスポーツ新聞を読んでますしね。
今、家族との関係で思い悩んでいる人は、相手の行動だけを切り取って眺めてみましょう。自分との関係が浮き彫りになり、相手から離れる踏ん切りがつくようになると思います。