他人の夢の話は大体面白くない
職場に「俺は昔誰もが知る大企業で・・・」とか「その企業は世界シェアナンバー1の製品を作ってて・・・」とか「当時は会社に寝泊りして・・・」とか、
心底どうでもいい話をするおっさん
に会ったことがある方はおられますでしょうか?
会ったことがある方はエア握手。会ったことがない方はその幸運に祝福を。
で、そういう話をするおっさんは得てして、「今はイマイチなおっさん」です。
お前・・・死相が出てるぜ
イマイチ、と一口に言っても動きが遅いとか話を聞いてくれないとか教え方が下手とか色々あるんですけど、こういうおっさんの対して僕が突っ込みたいのは
「で、今アンタは何ができるの!?」
の一言なんですよ。
平成も終わろうって時に事あるごとに言われますけど、これまでによっぽど経験を積み重ねた場合を除いて、僕みたいな若輩者ってのは基本的に今しか見ないし、今が一番大事だと考えます。
それを「短慮」とか「浅はか」とか「我慢が足りない」とか、要するに「バカ」だと捉えるのは勝手にしてくれって思いますし、ぐうの音も出ないと感じる瞬間も確かにあるんですが・・・。
僕らにとって大事なのは、目の前にいる年長者が「今どんな能力があって」「今どんな性格であり」「今どんな価値観を共有できそうか」であって、相手が昔どんな人間だったかなんて全然興味ないんです。もう終わったことですから。
もちろん相手の過去は相手の現在を推測する材料にもなるので、知識として聞いておくに越したことはないとも言えますが、それはやっぱり推測でしかないわけで。昔社会に対して絶大な貢献をした人が、ギャンブルや麻薬にハマることだってあるでしょう。人の過去なんて当てにはなりません。
そこまで極端でなくとも、部下を威圧して退職に追い込んだり、会社のお金を横領したり、30分ごとにタバコを吸いに行ったりしてる50台のおっさんが、30台の頃はエリートとも呼べる生活、まさに「意識が高かった」時代があったなんて話は決して珍しいことじゃあない。おっさんの過去話はありふれたエピソードの一つであり、たった一人の小さい人間視点でのお話でしかないんですよ。だから聞いてるだけじゃ大抵面白くない。
明後日…そんな先の事はわからない
若者がおっさんの話を聞きたがるとしたら、自分の将来のためになると考えている時だけです。 百歩譲って、飯をおごってもらえそうな時だけです。 マジで相手を尊敬しているなんて夢のある話はゼロです。
「今はイマイチなおっさん」の過去の成功から学べるのは、「過去の成功を口にするおっさんは基本的にうざい」ことだけです。
そういうおっさんに出会ったら悪いことは言いません。話を聞きたそうなフリはやめましょう。暇つぶしに聞くぐらいの精神ならいいですけど、勉強中や仕事中にそんな話をしてくるおっさんには塩対応で十分です。むしろ塩を送ってることに感謝してくれ。
「今もイケているおっさん」は若者に「過去の失敗」を話してくれます。それも成功につながらない単純な失敗の話を。
何故なら、それが一番若者に味わってほしくないことだと実感として持っているからです。こういうおっさんはほんとに貴重です。
どうかそういうおっさんが増えますように。できれば自分もなれますように。