親は子供に文字通り「一生」の借りがある
僕は30過ぎながら実家で生活しているので、「お前が言うな」状態ではあるんですが、基本的に自分の両親に対して「住まわせてくれてありがとう」みたいな気持ちはありません。
何でかっていうと、親は子供を幸せにする義務があると考えているからです。
だって考えてみてくださいよ。
戦争貧困疫病借金裏切り侮蔑いじめ虐待離婚浮気ガン。
ざっと思いついただけでこれだけの苦難が自分の身に降り注ぐ可能性があるんですよ!
人生始まった瞬間に! しかも自分の思惑とか無関係で!
こんな世界を前にして、両親が望んだというだけで産み落とされたら正直たまったもんじゃないですよ。「あなたの人生には怒哀要素が満載です」って知ってたら、
「すいません。チェンジで」
って言いたくなりますよ、絶対。
にもかかわらず、一回生まれた以上生きてかなきゃならないんです。
だって死にたくないんですもん。自分で手首切ったり首絞めたことありますけどマジ痛いですし、苦しいですよああいうの。好き好んでやることじゃないです。
あれの数倍は深く切ったり絞めたりしないと死ねないとか人間頑丈すぎませんかね。
でもそんな頑丈なはずの人間でも、空手家に蹴られたり銃で頭撃たれり空気注射されたら死ぬんですから、極まった人間の攻撃力とか科学力とか発想力とか凄すぎですよね本当。
ともかく「生きる」ってことが凄い大変なのは、平均寿命基準では若造な僕でも実感できていることなんです。
そういう大荷物を背負わせているのが親なんですから、どー考えても親には自分の手で誕生させた子供がこの世界で幸せになれるよう、一生をかけてがんばってもらわにゃ割に合わんですよ、子供としてはね。
子供を産んだらもう「一人の人間」じゃない
誰だって子供の頃、自分の両親が疲れた顔して帰ってきた時は労わろうって気にはなります。
年齢二桁になる頃には家事手伝いは大抵の子供がすることでしょうし、それが子供の仕事だと言われても納得はできます。
でも「お前がいるからこんな疲れた顔になる、だから自分の手伝いをするのが当然」みたいな思惑に気付かれたら親としては失格でしょ、普通に考えて。
「親だって一人の人間なんだから仕方がない」って言い訳してる人がいそうな気もしますが、想定外の負荷がかかったら自分一人の心身の健康も保てないのに何で子供作ったんですか?
「まさか子育てがこんなに大変なものだとは思わなくて」
なんて、単なる親自身の準備不足・管理能力不足でしょ。
そんなだから部下もまともに動かせずに、自分で頑張るくらいしか能のないおじさん管理職やヒステリックお局様が増殖しちゃうんですよ。
当たり前のことですが、「二人の力を合わせればどんな困難だって乗り越えられる」みたいな状況で子供産むとか、レベル1で魔王に挑むくらい無謀です。
これから人一人の一生を背負おうってんですから、夫婦揃って「まあ相方がいなくなっても問題ないだろう」ぐらい言えるようになってからじゃないと、今の時代子供を育てるなんて無理無理の無理ゲー。
周囲の助けを借りればなんとかなるとしても、それは周囲の力を借りられるように根回しや下調べをしていただけの話で、本来それくらい用意周到じゃなきゃこれからの時代の子育ては駄目なんですって。
親のすねはかじり倒せ!
「巣立ちの歌」とか「仰げば尊し」みたいな歌に顕著なのですが、親元や故郷を離れて独り立ちするのが美徳みたいな雰囲気が日本には(まあ外国でも大体そうでしょうが)あります。
それ自体は同意できる話ですが、そうしないやつはゴミ、みたいな風潮どうにかなりませんかね。ていうかノミ程度には頑張ってるでしょう。何とか生きようとはしてんだから。
見ず知らずの他人に頼りまくるよりはまず親を当てにしましょう。
で、親に突っぱねられたら、今度は取引ができるか考えます。
大抵の親は心の底では「自分が産んだ、産んでしまった」という負い目があるので、口下手営業マンが飛び込みするよりは有利な条件が引き出せるはずです。
無論メリットとデメリットをよく比較検討しなければなりませんが。利用するつもりが利用されてたなんてオチはゴメンですからね。
取引も期待できなさそうなら、手切れ金的な何かをせしめられるよう思いっきりわめき散らすのも有効です。世間体にこだわる親なら衣食住の維持に関わる情報くらいは出すでしょう。
どういう手段を取るにしても、「親と闘う」ことを自分に意識させておいた方がいいです。
文字通り取っ組み合いを繰り広げるのもありですが、抽象的に言うなら、
「親のことを理解しようとする自分を鍋に入れて一旦蓋をする」イメージです。切り離しちゃ駄目ですよ、自分の一部でもありますから。
そうやって親という存在から自分を離すよう仕向けていけば、一人の人間として親を見ることが出来るようになります、ある程度は。
そこまで行けば割と冷静に親と向き合えるので、後は損得勘定を軸に親との関係性を定めていけば問題ありません。
何にせよ、親として「まとも」なら子供の幸せを第一に考えるはずなので、今自分が生きてて楽しくないなって思ったら、「親への感謝」は東京湾に沈めておさらばしちゃいましょう。