結婚式に成り代わる「儀式」は何だ。

ブライダル業界は必死

成人してから結婚式に二回ほどお邪魔したことがあるのですが、まー結婚式って金かかってますよね。ちょっと失礼して新郎に聞いてみましたが、やはり七桁万円は下らないみたいです。

これは僕ぐらいの年齢の人なら当然の認識だと思うんですが、今世の中は何かと無駄遣いは控えるという流れがあります。全くしないというのも無理があるとは思いますけど、節約術やライフハックを駆使して「消費をしない」ことに力を入れている人は結構いますよね。

そういうお財布状況で、冠婚葬祭、とりわけ出費のかさむ結婚式にお金を使ってもらうというのは極めて難しいでしょう。ブライダル業界だってその辺はわかっているはず。

だから、雑誌・インターネット・新聞・テレビ等の色々な情報媒体には、結婚式がいかに素敵で、消費者にとって必要であると思い込ませられるよう様々な仕掛けが施されています。

恋愛ドラマや映画が流行を過ぎても消え去らず、いつもどこかに存在しているのは、

男女が愛を誓い合う儀式は尊いものである、という意識を刷り込ませるための「仕掛け人」

がいるからだと言えるでしょう。まあこれはどんな市場でもあり得ることですが。

ともかく、結婚式が素晴らしいものであると理由もなく感じている人がいるとしたら、術中にはまりかけているということは頭に入れておきましょう。

お金を掛けた分だけ幸せになれるという謎理論

僕としては不浄召し上がれって話なんですけど、どうもお祝い事に関してはいくらお金を掛けても構わない、むしろ掛ければ掛けるほど幸せになれると信じている人が結構いるみたいなんですよ、日本には。

僕が直近にお邪魔した結婚式は100人弱の規模でしたが、掛かった費用は100万や200万じゃきかないはず。ご祝儀分である程度賄うにしても、それは結婚式に来た人が費用を負担していることになるだけで、費用そのものが減るわけではありません。

今でこそ格安結婚式という触れ込みで色々なプランを用意している式場もありますが、出費を抑えたいという人たちの行き着く先は「やらないこと」なので、焼け石に水でしょう。

人々の生活が苦しくなっていけば、結婚式のみならず、冠婚葬祭のあらゆる「儀式」に価値が見出されない時代になるのは必然です。

そういった流れに逆らうイメージ戦略を採用せざるを得ないのが商売の辛い所でもあり、

また面白いところでもあるのでしょうが。

けじめのつけ方が変わる日

長い人生、その節目節目で、自分や自分の大切な人とけじめをつける機会を欲しがるのは当然のことだと思います。

ですが、ブームめいた空気に当てられて、その機会を意図的に作り出しちゃあ駄目なんです。それは自分の心を安っぽいものに貶めてしまう行為でしかありません。

結婚式は過去の慣習として去り、それに変わる新たな儀式を自分達の手で作り上げる。

そういう人達がこれからどんどん増えていくことでしょう。

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